造園屋(造園業)の仕事は、単に木を植えるだけでなく、「空間の設計・創造」から「緑の維持管理」まで非常に多岐にわたります。大きく分けると、以下の3つの役割があります。
1. 庭を「つくる」:造園工事・外構工事
設計図をもとに、何もない空間を理想の庭や緑地に仕上げる仕事です。
• 整地・土木作業: 重機を使って地面を平らにしたり、土を盛って「築山(つきやま)」を作ったりします。
• 石組み・舗装: 自然石を組み合わせて景観を作ったり、石畳やタイルを敷いて通路を作ります。
• 植栽: 樹木の特性(日当たりや成長速度)を考慮しながら、シンボルツリーや下草を植え込みます。
• 添景物(てんけいぶつ)の設置: 竹垣、灯篭、ウッドデッキ、フェンス、時には池や滝などの水回りの施工も行います。
2. 庭を「守る」:維持管理(メンテナンス)
完成した庭や公共の緑地を美しく、健康な状態に保つ仕事です。
• 剪定(せんてい): 樹木の形を整え、風通しを良くして病害虫を防ぎます。職人の腕が最も試される作業です。
• 消毒・施肥: 害虫がつかないように薬剤を散布したり、肥料を与えて樹木の勢いを保ちます。
• 除草・芝刈り: 雑草を取り除き、芝生を美しく刈り揃えます。
• 雪対策: 雪国では、積雪の重みから枝を守るために「雪吊り(ゆきつり)」などの作業も重要な仕事です。
3. 公共の環境を「整える」:街路樹や公園の整備
個人宅だけでなく、街全体の緑を支える役割も担っています。
• 街路樹の管理: 道路沿いの樹木が標識を隠したり、枝が伸びて危険にならないよう定期的に剪定します。
• 公園の整備: 市町村などの依頼を受けて、公園の遊具周りの整備や植栽の管理を行います。
• 屋上緑化・壁面緑化: ビルの屋上や壁面に緑を配置し、都市のヒートアイランド現象を抑える工事も増えています。
造園屋と「植木屋」の違い
厳密な定義はありませんが、一般的に以下のようなニュアンスで使い分けられることが多いです。
• 植木屋: 主に「木を整える(剪定)」ことに特化した職人。
• 造園屋: 剪定だけでなく、石組み、土木、設計、外構まで含めた「空間全体をプロデュース」する。
最近では、住宅の外観(エクステリア)全体をデザインする「エクステリア・プランナー」としての役割も強まっており、お洒落なデザイン提案から工事までを一貫して行う会社が増えています。
特にアオダモのような自然な樹形の木を使い、石や照明を組み合わせるデザインなどは、高い専門知識とセンスが求められる造園屋ならではの仕事と言えます。