庭木の剪定時期について

庭木の剪定はいつがいいのかは樹種や地域によって違うこともありますが、基本的には夏と冬の時期に行います。夏と冬では、それぞれにやり方に違いがありますので、剪定を避けるべき時期も含めて説明します。

夏の剪定について

夏の剪定は庭木の生育を促し、樹形を整えることが目的です。夏は新しい芽が伸びやすく、栄養分が効率的に循環するため剪定の効果が表れやすいです。
夏の剪定では、枝葉の過密状態を適切に取り除いて風通しや日光の透過を良くして、病害虫の発生を抑制し健康的に生育するベースを作ります。
このように、夏の剪定は庭木の状態を改善し、健やかな環境を整えるのに大きな役割を果たします

冬の剪定の基本

冬の剪定は、庭木の美しい樹形や良好な生育に直結する重要な作業です。
基本的には葉が落ちた後の2月から3月に行うのが最適とされています。
冬の時期は庭木が休眠状態になっていますので、剪定によるストレスが少なく植物への負担が軽減され、切り口の回復も早いです。
剪定の基本は、不要な枝や病気の枝を取り除くことです。特に、交差している枝や内部に向かって伸びている枝を剪定することで、風通しが良くなり樹形が整います。

剪定を避けるべき時期

剪定を避けるべき時期として挙げられるのは、新芽が出はじめる春先や夏の最も暑い時期です。この時期に剪定を行うと、木へのダメージが大きく、剪定後の成長が鈍化してしまうことがあります。
冬の寒い時期や強風や雨が多い時期も避けるほうが無難です。切り口が乾燥せず腐敗する可能性があるからです。
剪定を行う時期は、木にダメージが少なく、生長に支障が出ないことを前提にしましょう。

種類別に見る庭木の剪定時期

庭木の種類別の剪定時期を紹介します。庭木は大まかに常緑広葉樹、常緑針葉樹、落葉広葉樹の3つに分けることが多いです。

常緑広葉樹の剪定時期(4月〜6月)

常緑広葉樹の剪定は、一般的に4月〜6月にかけて行います。この時期は植物の成長が活発になる前ですから、余分な枝を整理する絶好のタイミングです。
特に、冬の間に蓄えたエネルギーがあり、新しい芽が出る前の4月に剪定作業を実施することが重要です。剪定によって風通しが良くなり、光も取り入れやすくなって、夏に向かっての成長を促進する働きがあります。
ただし、無理な切り過ぎによる庭木へのダメージには注意しましょう。

常緑針葉樹の剪定時期(3月と4月)

松などの常緑針葉樹の剪定は、主に3月〜4月に行うのが最適です。この時期は、庭木が成長期に入る前の準備段階のため、剪定による負担を軽減できます。
3月に枝の健康状態をチェックして不要な部分を取り除いておくと、4月に入って成長が活発化し、剪定した部分から新しい芽が出やすくなります。
剪定後の成長を促進させるため、水分補給や施肥を行うと、より成長のための環境を整えることができます。

落葉広葉樹の剪定時期(2月と4月)

落葉広葉樹の剪定時期は、特に12月〜3月が適期です。この時期に剪定を行うことは、樹木の成長と美しさを保つために重要です。
冬は葉が落ちた状態で、枝の形を確認しやすいため、剪定作業に適しており、春の新芽が健全に育つことが期待できます。

剪定作業の目的

樹木の枝を切ることで、見た目を整えたり大きさや樹形を維持します。また、余分な枝を減らす事によって病害中の繁殖を予防したり樹木の成長を促進する目的もあります。

樹形

・自然樹形
自然樹形とは、樹木が本来持つ成長のパターンに沿って自然に育った樹形のことです。剪定などで人工的に形を整えるのではなく、その樹種や環境に合った自然な姿を指します。例えば、落葉広葉樹は、卵型や円錐型、または盃型など、樹種によって特徴的な自然樹形があります。

・人工樹形
幾何学的な樹形・生垣・盆栽・果樹の仕立てなど
自然樹形にしたいときは、いらない枝葉を必要最低限間引きます。
木の形が不自然にならないよう配慮しながら、必要な枝と不要な枝を見極めるのが大切です。

一方、人工樹形を作るときは元の樹形をふまえず、剪定者のイメージどおりの樹形を思い描きながら枝を切ります。
枝を1本ずつ切るのではなく、何本も同時に刈り込むことが多いです。
利用目的にあった樹形に仕立てる盆栽や果樹の剪定も人工樹形です。

軽剪定、透かし剪定

・伸びた枝や不要枝を剪定する作業です。
・定期的にお手入れされている樹木に行う剪定です。
・こちらの作業は基本的に年間と通して行う事ができます。

強剪定、整姿剪定

・大きくなった樹木を小さくしたり骨格を造る作業です。
・こちらの作業は主に春か秋頃、樹木の種類や状態を見て適切な時期に剪定させて頂きます。